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An iced latte in a tall clear glass, espresso swirling into cold milk over ice cubes. Editorial Kinfolk aesthetic, cream and brass palette.

May 13, 2026

アイスラテ、アイスコーヒー、アイスアメリカーノ:本当の違い

文/ Rashad Naouchi26 分で読む
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夏のカフェのメニューには3種類のアイスコーヒー系ドリンクが並ぶ。その違いは、注文する客にも、淹れるバリスタにも、いつも明快というわけではない。アイスラテはエスプレッソを氷の上に注ぎ、冷たいミルクを合わせたもの。アイスアメリカーノは氷の入ったカップにエスプレッソと冷水を加え、ミルクは入れない。アイスコーヒーは抽出したコーヒーを冷やして氷の上に注いだもの。3つは味も、使う材料も、価格も異なる。注文を間違えることは、「自分はアイスコーヒーが苦手だ」と感じてしまう典型的な原因のひとつでもある。本稿では、それぞれが実際にどんな飲み物なのか、カフェではどう組み立てられているのか、どの朝にどれを選ぶべきかを整理する。コールド系カテゴリ全体の構造については、コールドブリュー、アイスコーヒー、ニトロの違い解説を参照してほしい。

比較の要点を短くまとめておく。アイスアメリカーノはボディがもっとも軽く、クリアで、エスプレッソの個性がもっとも前に出る。アイスラテはミルク感が強く、ほのかに甘く、カフェの定番として親しまれている。アイスコーヒーは抽出方法によって性格が変わる(ホット抽出後に冷やす場合は明るい印象、ポアオーバーをフラッシュチルする場合はさらに明るく、コールドブリューはまろやかで酸味が穏やか)。3つは互いに置き換え可能ではなく、選ぶ基準は豆、カフェ、そして飲み手の朝のあり方による。

アイスラテの定義

アイスラテは、ダブルショット(ときにトリプル)のエスプレッソ約60mlを氷の上に注ぎ、240〜355mlの冷たいミルクを合わせたドリンク。カップの中で組み立てる。まず氷、次にエスプレッソを氷の上に直接注ぎ、その上から冷たいミルクを注ぐ。シェイクしたりステアしてエスプレッソをミルクに馴染ませる店もあるが、多くはそのまま提供し、飲む前に客自身がスワール(軽く揺すって混ぜる)する。総量は店の標準サイズによって355〜470mlほど。

標準のミルクはホール牛乳。代替乳としては2018年以降オーツミルクが主流となり、Oatly Barista Editionがもっともよく使われている。アーモンド、ソイ、ココナッツも使えるが、口当たりはそれぞれ異なる。アイスラテに関してオーツミルクが牛乳にもっとも近いとされるのは、他の代替乳に比べて泡立ちが少なく、氷の上にきれいに注げるからだ。

味わいはミルクが主役で、エスプレッソが底を支える。クリーミーで、ミルクの乳糖由来のかすかな甘み(無糖でも感じる)があり、エスプレッソからチョコレートやキャラメルのニュアンスが立ち上がる。ミルクが苦味をマスクするため、コーヒー初心者にもっとも入りやすいアイスドリンクとされる。

サードウェーブ系カフェのアイスラテは都市によって¥800〜¥1,050前後。同じドリンクをスターバックスで頼むと、グランデ(473ml)で¥600〜¥750ほど。価格差は豆(スペシャルティのエスプレッソかスターバックス独自ブレンドか)、ミルク(地元の乳業やOatly Baristaを使うことが多い)、そして人の手(サードウェーブのバリスタが一杯ずつショットを抽出して注ぐのに対し、スターバックスはMastrenaの自動マシンを使う)の違いに対応している。

アイスアメリカーノの定義

アイスアメリカーノは、氷を入れたカップにダブルショットのエスプレッソと冷水を合わせたドリンク。ミルクは入らない。組み立ては2ステップ。まず氷と冷水(店のレシピにより120〜240mlの冷たい濾過水)を入れ、その上にダブルショットを直接注ぐ。総量は約300〜415ml。

味わいはエスプレッソが主役で、水が濃度を飲みやすい強さに整える。クリーンで明るく、わずかにビター、エスプレッソの産地特性がはっきり出る。ウォッシュドのエチオピアならシトラスとジャスミン、ナチュラルのブラジルならミルクチョコレートと黒糖の印象。夏のホットエスプレッソに最も近いドリンクと言える。

アメリカーノ(ホットもアイスも)の名は、第二次世界大戦中にイタリア駐留中の米兵が、強すぎると感じた現地のエスプレッソを湯で薄めるようイタリア人バリスタに頼んだことに由来するとされる。結果として、強さはアメリカのドリップコーヒーに近く、エスプレッソの風味は残る一杯になった。アイス版が現れたのは1990〜2000年代、アメリカでコールドコーヒー文化が広がった時期だ。

サードウェーブのアイスアメリカーノは¥650〜¥900ほどで、ミルクを使わないぶんアイスラテよりやや安い。ただしカップの仕上がりはアイスラテよりばらつきが大きい。ミルクが粗をマスクしないからだ。弱いショットや劣化したショットは、アイスアメリカーノでは大きく響く。

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アイスコーヒーの定義

アイスコーヒーは、抽出したコーヒーを氷の上に注いだもの。アイスラテやアイスアメリカーノよりも幅が広い。「アイスコーヒー」と呼ばれるものには3通りの抽出アプローチがあり、それぞれ仕上がりが目立って異なるからだ。

ホット抽出後に冷却。通常のホットバッチ(ドリップまたはポアオーバー)を淹れ、冷ましてから氷に注ぐ方式。飲める品質ではあるが、冷却の間に芳香成分が常温で揮発して明るさが失われる。大手チェーンの多くは、量に対応するためバッチを事前に作れるこの方式を採用している。

フラッシュチル(日本式アイスコーヒー)。カラフェに氷を入れ、その上に直接ホットのポアオーバーを落とす方式。熱湯で明るい芳香成分を引き出し、氷が瞬時に冷やしてその香りを閉じ込める。ホットのポアオーバーが持つ産地特性を保ったまま、冷たさが加わったカップになる。サードウェーブのカフェではシングルオリジンのアイスコーヒーにこの方式を使う。

コールドブリュー。冷水でコーヒーを12〜24時間浸漬抽出する。冷たい抽出では明るい酸の成分が引き出されにくいため、甘くて低酸、まろやかなカップになる。多くのカフェではメニュー上アイスコーヒーとは別項目で扱う。一部のチェーンでは両者を同じ枠で扱っていて、客を混乱させている。

サードウェーブのカフェで「アイスコーヒー」が指すのは、通常フラッシュチル(日本式)のもの。Stumptown、Heart、Counter Cultureで「アイスコーヒー」と頼むと、フラッシュチルしたシングルオリジンのポアオーバーが、新しい氷の入ったグラスで出てくる。明るく、クリアで、ホットのポアオーバーで淹れた同じコーヒーだとはっきりわかるカップ。価格は355mlで¥600〜¥900ほど。

チェーン系(スターバックス、Dunkin’など)の「アイスコーヒー」はホット抽出後に冷却した方式。飲める品質だが、フラッシュチル版に比べて平板。価格は473〜710mlで¥500〜¥750ほど。

カフェでの組み立て方

バリスタが3つのドリンクを組み立てる様子を見比べると、ワークフローの違いが見えてくる。

アイスラテ(45〜90秒):カップの半分まで氷を入れる。ダブルショットを抽出(25〜30秒)。エスプレッソを氷に直接注ぐ。冷たいミルクをカップ一杯まで注ぐ。蓋を閉めて客に渡す。手早く、利益率も高い。ピーク時には1時間に40〜60杯作れる。

アイスアメリカーノ(60〜90秒):カップの半分まで氷を入れる。冷たい濾過水を120〜240ml加える。ダブルショットを抽出。氷と水の上にエスプレッソを注ぐ(視覚的な層を作るため、水をショットの上に注ぐバリスタもいる)。蓋を閉めて客に渡す。ミルクの工程を除けばアイスラテと似たワークフロー。

アイスコーヒー(方式によって異なる):ホット抽出後に冷却する場合は、ピッチャーで冷蔵しておいたバッチから注ぐ。氷の上に注ぎ、客の指示で甘味料やミルクを加える。30〜45秒。フラッシュチルの場合、バリスタは豆を23g計量、挽き、150gの氷を入れたカラフェの上にV60をセット、93℃の湯200gをパルス注湯で2:30〜3:00かけて落とす。トータル4〜5分。コールドブリューの場合は、タップやピッチャーから注ぎ、客の好みでミルクや水を足してもらう。

ミルクと希釈の数値

3つのドリンクは、客が最終的に飲む液量と、その中にカフェインがどう広がるかが違う。

アイスラテ(総量約470ml):エスプレッソ約60ml(カフェイン60〜80mg)+ 冷たいミルク約300ml + 20分で溶ける氷約120ml。カフェインは少量のエスプレッソに濃縮されていて、飲み進めるうちにカップ全体に広がっていく。1杯25〜40分ほどもつ。

アイスアメリカーノ(総量約355ml):エスプレッソ約60ml(カフェイン60〜80mg)+ 冷水約180ml + 20分で溶ける氷約120ml。カフェイン量はアイスラテと同じだが、ミルクで薄まらないぶん1mlあたりの強度はやや高い。実際のカフェイン量は近いのに、印象としては強く感じる。

アイスコーヒー、フラッシュチル(総量約355ml):抽出コーヒー約240ml(カフェイン140〜180mg、ダブルエスプレッソより多い)+ 溶ける氷約120ml。エスプレッソ系よりトータルのカフェイン量が多いのは、抽出量が約240mlのポアオーバーで、約60mlのエスプレッソショットではないから。アイスラテよりアイスコーヒーで「効いた」と感じる人は、思い込みではなく実際にカフェインを多く摂っている。

アイスコーヒー、コールドブリュー(1:1希釈で総量約470ml):コールドブリュー原液約240ml(カフェイン200〜260mg)+ 水またはミルク約240ml + 溶ける氷約120ml。一般的な4種類のアイスドリンクの中で、抜きん出てカフェインが多い。アイスラテからコールドブリューに切り替えても違いを感じないという人は、ほぼいない。

朝の文脈別、注文の指針

正しい一杯は、カフェが扱っている豆、飲み手のカフェイン目標、そしてその朝のリズムによって決まる。

エスプレッソ向きの豆と短い滞在には:アイスアメリカーノ。エスプレッソが余計な干渉なしに語れる。ウォッシュドのエチオピアやゲイシャ系のエスプレッソは、アイスアメリカーノで他のどのアイス形式よりも素直に立ち上がる。

ミルキーで安心感のある一杯、長めの滞在には:アイスラテ。クリーミーで30〜40分は中だるみせずに飲める。ミルクがエスプレッソの粗をマスクし、会議や長い読書の間にゆっくり口に運べる。

カフェイン量を重視、気楽な気分のときには:コールドブリュー。470mlで200mg以上のカフェインが入り、甘く低酸のプロファイルは、普通のコーヒーを酸っぱく感じる人の胃にもなじみやすい。

豆の味そのものを楽しみたい明るい朝には:フラッシュチル(日本式)のポアオーバー。4つの中でもっとも明るく、産地特性がもっともはっきり出る。

シェイクド・アイス・エスプレッソという変奏

スターバックスは2021年、Dunkin’のエスプレッソラインに対抗し、サードウェーブが長年扱ってきたアイスエスプレッソのカテゴリを取り込むため「シェイクド・エスプレッソ」シリーズを投入した。トリプルショットのエスプレッソを少量のミルクまたはシンプルシロップとともに氷でシェイクし、新しい氷の上に濾して注ぐ。シェイクで空気が入ることで、エスプレッソの苦味がわずかに丸くなる。

シェイクド・エスプレッソは機能的にはアイスアメリカーノに近く、水分量が少なくエアレーションが多い。水を加えていないぶん希釈が軽く、よりコンセントレートに感じられる。さらにシェイクで生まれる泡が口当たりに違いをもたらし、それを好む人もいる。サードウェーブのカフェの多くはメニューにシェイクド・エスプレッソを置いていないが、頼めば作ってくれることが多い。

ミルク選びの問題

アイスラテの多くはデフォルトでホール牛乳。冷たいミルクは氷の上に注いでも分離やカードを起こさずに混ざる。代替乳の標準はオーツミルク(Oatly Barista Edition、Minor Figures Organicなど)で、口当たりが牛乳に近い。アーモンドミルクは薄く、氷の上で分離しやすい。ソイミルクは重く、ホットエスプレッソと合わせるとカード化することがあるが、氷で冷えたあとのエスプレッソとならその傾向は弱まる。

アイスラテに限れば、ドリンク自体が冷たいおかげで、ホットラテで起きるカード化のリスクは抑えられる。アーモンド、ココナッツ、エンドウ豆たんぱく由来(Rippleなど)でも、ホットでは扱いにくくてもアイスラテなら十分機能する。ただし、その店のエスプレッソとの相性を試している代替乳はどれか、バリスタに尋ねるのが望ましい。

乳の選択はカロリーに大きく影響する。473mlのアイスラテをホール牛乳で作ると220〜260kcal。オーツミルクなら200〜240kcal。アーモンドミルクなら80〜120kcal。ソイミルクなら180〜220kcal。無脂肪乳なら120〜160kcal。カロリーを気にする人は差を知っておくとよい。ホール牛乳のアイスラテとアーモンドミルクのアイスラテの差は、小さなバナナ1本分ほどに相当する。

甘味料という層

アイスドリンクはホットよりも甘味料を素直に受け入れる。冷たい液体には砂糖が溶けにくいため、液体甘味料が使われるからだ。多くのカフェはアイス用にシンプルシロップ(砂糖と水を1:1で煮溶かしたもの)を常備している。バニラ、ヘーゼルナッツ、ラベンダー、季節限定フレーバーなどを扱う店もある。

注入量はドリンクによって変わる。標準的なアイスラテにはシンプルシロップ15〜30ml(砂糖8〜16g)。アイスアメリカーノはもう少し控えめで、通常7〜15ml(砂糖4〜8g)。容量が小さい分、甘さが濃く出るからだ。コールドブリューは4つの中でもっとも自然な甘さがあり、加える甘味料は最少で済む。

サードウェーブのカフェではアイスドリンクは基本的に無糖で提供される。甘くしたいときは客から頼む。チェーン系(スターバックス、Dunkin’)はメニュー設計の段階で甘味料が含まれていることが多く、抜きたければ「無糖で」「シロップなしで」と指定する必要がある。糖分を抑えたい人は、注文時に明示するのが安全。

氷の問題

氷の質は、多くの飲み手が思っている以上に重要だ。標準的な角氷は15〜20分で溶け、ドリンクを徐々に薄めていく。30分後の一口は5分目の一口より明らかに弱い。サードウェーブの一部では大きめの氷(38mmや50mm角)や、コーヒーで作った氷を使い、溶解速度を落としている。コーヒーアイスキューブ(水ではなくコーヒーで作った氷)なら希釈そのものが起きない。溶けたぶんがコーヒーになる。

家庭でコーヒーアイスキューブを作るのは簡単だ。コーヒーをバッチで淹れ、製氷皿に注ぎ、凍らせる。アイスラテやアイスアメリカーノに使えば、最初から最後まで濃度が保たれ、おいしく飲める時間が20分から45分に伸びる。家庭でフラッシュチル風のポアオーバーアイスを楽しむときに特に向いている。

カフェの組み立て順序

サードウェーブのカフェの多くは、アイスエスプレッソに特定の組み立て順を採用していて、それが仕上がりに効いてくる。標準的なサードウェーブの順序はこうだ。カップにあらかじめ氷を入れ、エスプレッソを別ピッチャーに取らず氷の入ったカップに直接抽出、その上にミルクや水を注ぐ。熱いエスプレッソが氷に当たって2〜3秒で冷え、揮発する前に芳香成分を閉じ込める。

もう一方の順序は、温めたカップやピッチャーにエスプレッソを抽出し、少し冷ましてから氷とミルクの上に注ぐ方式。こちらは古い手順で、2000年代前半までは主流だった。冷ましの工程で芳香成分が多く失われ、サードウェーブ方式に比べると明るさが鈍る。

家庭でこれらを作る人にとっても、サードウェーブの順序の方が良い。受けるグラスに氷を入れておき、その上にエスプレッソを直接抽出する。フラッシュチルされたカップは、冷ましてから注ぐ方法より明らかに明るく仕上がる。日本式アイスコーヒーの考え方を、エスプレッソ用にスケールダウンしたものと言える。

夏のカフェイン計算

アイスドリンクはホットより大容量で飲まれることが多い。同じシチュエーションでも、ホットラテなら355ml頼む人がアイスラテなら473mlや591mlを選ぶ。容量差はカフェイン量の差として積み重なる。591mlのアイスラテはダブルではなくトリプルショットを使うのが普通で、合計カフェイン量は95〜120mgになる。355mlのホット版の65〜80mgと比べてかなり多い。

もっとも極端なのがコールドブリューだ。スターバックスの710ml(ベンティ)コールドブリュー1杯で360mg、FDAが示す1日上限400mgに迫る量を含む。アイスラテからコールドブリューにサイズそのままで切り替えた人は、30分以内にだいたい違いを実感する。コールドブリューに切り替えるなら、サイズを1つ落とすか、ハーフストレングスで頼むのが妥当な調整になる。

ベトナム式アイスコーヒーという変奏

ベトナムのカフェ・スア・ダー(ca phe sua da)、いわゆるベトナム式アイスコーヒーは、知っておきたい近接カテゴリだ。フィン(phin)と呼ばれる小さな金属フィルターで濃いロブスタを直接、加糖練乳の入ったグラスに落とし、氷を加え、客がかき混ぜながら練乳を抽出液に溶かしていく。

仕上がりは欧米のどのアイスコーヒーともはっきり違う。甘く、重く、強烈にカフェインが効く。練乳がクリームと甘味料の両方を兼ね、ロブスタが洗練されたアラビカでは出せないピーナッツとチョコレートのボディを与える。発祥は19世紀後半のフランス植民地下のベトナム。熱帯気候で生乳を扱うのが難しく、練乳の方が実用的だったことに由来する。

ベトナム系コミュニティが大きいアメリカの都市では、伝統的なスタイルでカフェ・スア・ダーを提供する店が多い。Trung Nguyen、ニューヨークのPhin Cafe、ヒューストンとダラスのベトナム式Cafe Du Monde、そしてブンボーフエやフォーの店と並んで育ってきた各地の街場のベトナム系カフェ。価格は¥600〜¥900で、どのカフェのメニューを見ても屈指の高カフェインドリンク(473mlで300〜400mg)だ。

グラニタと冷凍系の変奏

コーヒーグラニタはシチリアの冷凍ドリンクで、アイスコーヒーとアイスクリームの中間に位置する。濃いめのコーヒーに砂糖を加え、浅いトレイで凍らせ、フォークで削ってフレーク状のクリスタル質感に仕上げる。グラスに盛り、ホイップクリームを上に乗せて、飲むというよりスプーンで食べる。イタリア系カフェでは¥750〜¥1,200ほど。冷凍コーヒードリンクの原型だ。

フラペチーノなどブレンダー系の冷凍コーヒーは、グラニタの大衆向けの末裔と言える。スターバックスは1995年にフラペチーノを発売した(ボストン地域のコーヒーショップから商標を取得している)。事前抽出したコーヒーを氷、ミルク、砂糖と業務用ブレンダーで混ぜ、スムージー状の冷たいドリンクを作る。サードウェーブのカフェのほとんどはフラペチーノを提供しない。スペシャルティの枠から離れた、独立したマーケティング層として存在しているカテゴリだ。

アイスコーヒーまわりの最新の変奏がコールドフォームだ。加糖した冷たいミルクをマイクロフォームの状態に泡立て、コールドブリューやアイスコーヒーの上に浮かべる。スターバックスが2018年に導入し、サードウェーブのカフェにも冷たい飲み物のミルクオプションとして広がった。フォームは10〜15分は形を保ち、その後ドリンクに溶け込んでいく。ホットのカプチーノがミルクドリンク派に提供する視覚と食感の変化を、冷たい飲み物にもたらす役割を担っている。

それぞれをきちんと出してくれる店

サードウェーブのカフェはアイスアメリカーノとフラッシュチルアイスコーヒーが得意だ。エスプレッソが上手な店はだいたいアイスアメリカーノも上手い。エスプレッソに冷水を足しただけの飲み物だからだ。ポアオーバーバーがある店なら、メニューに書いていなくてもフラッシュチルを選べることが多い。

アイスラテはサードウェーブでもチェーンでもよく作られる。ミルクがエスプレッソの揺らぎを覆ってくれるからだ。差はミルク(スペシャルティ店は脂肪分の高いものやバリスタ仕様を使う)とエスプレッソ(スペシャルティのローストは産地特性が出やすい)に現れる。

コールドブリューは品質のばらつきが大きい。最良は、産地が明示されたスペシャルティ豆で毎日少量バッチを自家抽出する店。最悪は、卸のコールドブリュー濃縮液を回転管理せずに使う店だ。袋詰めと業務用容器の差は見ればわかる。少量バッチのコールドブリューが日付ラベル付きのカンブロ容器に入っていれば本物。ベンダー流通のボトル詰めはそうではない。

Pulledのコーヒーマップは、41,000の都市にまたがる134,000のスペシャルティ判定済み店舗を収録している。スペシャルティフィルターがデフォルトで有効になっているので、これらのアイスドリンクをきちんと出してくれる可能性の高い店を絞り込める。

読者からよくある質問

アイスラテを飲み終わる頃に水っぽくなるのはなぜ?氷が溶けるから。標準的な角氷は20〜30分で90〜150mlの水をカップに加え、飲み進めるうちにドリンクを薄めていく。対処は、早めに飲み切る、氷少なめ(一部の店は「easy ice」に対応)で頼む、家ではコーヒーアイスキューブを使う、のいずれか。

アイスアメリカーノとブラックのアイスコーヒーは同じもの?違う。アイスアメリカーノはエスプレッソに冷水。ブラックのアイスコーヒーはドリップ、ポアオーバー、コールドブリューなど抽出コーヒーを氷の上にミルクなしで注いだもの。アメリカーノはより濃縮されエスプレッソ寄り、アイスコーヒーはより薄く、抽出方法に左右される。

アイスコーヒーがアイスラテより安いのはなぜ?ミルクを使わず、手間も少ないから。アイスコーヒーは抽出済みのコーヒーを氷に注ぐだけ。アイスラテはエスプレッソを抽出し、ミルクを加える工程が要る。人件費と材料費が低いぶん、価格に反映されている。

アイスカプチーノは頼める?多くの店は作ってくれるが、アイスラテほど成立しない。カプチーノを定義づけているのはスチームされたホットミルクとマイクロフォーム。冷たいミルクではその泡構造を作れない。アイスカプチーノは普通、ミルク量を抑えたアイスラテとして組み立てられる。仕上がりは悪くないが、カプチーノらしさはあまりない。

アイスフラットホワイトは?オーストラリア系の影響を受けたカフェの一部は、アイスフラットホワイトを提供している。ダブルショットを氷の上に注ぎ、ミルクをアイスラテより少なめ(通常120〜180ml、アイスラテは300〜355ml)にする。アイスラテよりエスプレッソが前に出て、アイスアメリカーノよりミルキー。アメリカではまだ少数派だが、オーストラリア影響下のスペシャルティ店では定番だ。

アイスコーヒーはホットより胃に重い?温度はコーヒーの酸度に意味のある影響を与えない。クロロゲン酸の含有量は抽出温度に関わらず同じ。ホットとアイスで体感が違う人は、量(1回で飲む量がアイスの方が多い)か、ミルクと砂糖の量に反応している可能性が高い。アイスという形式そのものではない。

淹れたてのアイスコーヒーがおいしく飲める時間は?フラッシュチルしたポアオーバーは30〜45分以内。それを過ぎると冷たく保っていても明るさが落ちる。コールドブリューは冷蔵で7〜14日もつ。アイスラテはミルクと氷の溶けでカップが早く変わるため、20〜30分以内が望ましい。

実用的な要点

3つのドリンクは目的が異なり、それぞれ別の注文の癖に報いてくれる。アイスラテはミルキーで飲みやすく、長く座って過ごす日のカジュアルな一杯。アイスアメリカーノはエスプレッソが前に出て、ボディが軽く、さっと飲み切れる選択肢。アイスコーヒーは抽出方法によって明るい(フラッシュチル)から穏やか(コールドブリュー)まで幅のあるカテゴリ。ホットエスプレッソが好きな人は夏はアイスアメリカーノを基本に、ラテが好きな人はアイスラテを基本に、手間なくカフェインを取りたい人はコールドブリューを基本にすると合いやすい。

多くの飲み手にとっては、暖かい季節を通して3つを一つに絞らずローテーションで回すのが良いやり方だ。仕事前の慌ただしい朝はアイスアメリカーノ、会議や読書を伴うじっくりした時間にはアイスラテ、店の得意分野に応じてコールドブリューかフラッシュチルアイスコーヒー。3つを互換と見なすと意味を取り逃がす。互いを補い合うものと見なせば、夏のコーヒーの時間がぐっと広がる。

Pulledは、正しいアイスドリンクを出してくれる店を、どの都市からも見つけられるようにするためにある。コールド系全体の構造は柱記事コールドブリュー、アイスコーヒー、ニトロの違い解説に譲り、本稿はその下にエスプレッソ系アイスドリンクの比較として収まる。3つのドリンクを把握し、意識して注文する飲み手は、夏の朝ごとに前より良い一杯を手にする。それは1シーズン100回の朝で積み重なり、なんとなく注文する飲み手とは目に見えて違う、アイスコーヒーとの関係を作っていく。その朝に合う一杯を選ぶという小さな日々の決定が、夏のシーズンを通して、デフォルトの注文では得られない関係をアイスコーヒーとの間に育てる。

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